脳の中の「身体の地図」が乱れると不調に
慢性痛の新しい考え方2
脳の中の「身体の地図」が乱れていることもある。
前回は、慢性痛の原因の一つとして「中枢性感作」という、痛みの感じ方が敏感になってしまう状態についてお伝えしました。
今回はもう一つ、近年の研究で注目されている考え方を紹介します。
実は私たちの脳の中には、**自分の身体の位置や形を把握するための“身体の地図”**のようなものがあります。
これを専門的には Body Schema(ボディスキーマ/身体図式) と呼びます。
この身体の地図があるおかげで、私たちは目で見なくても自分の腕や脚の位置を感じ取ることができたり、スムーズに体を動かすことができます。
しかし慢性的な痛みが続いている場合、この脳内の身体地図が少し曖昧になっている可能性があることが研究で報告されています。
例えば慢性腰痛の研究では
腰の位置を感じ取る能力が低下している
触れられた場所を正確に識別する能力が低い
といった特徴が見られることがあります。
つまり、脳の中で身体の感覚情報がうまく整理できなくなっている状態とも言えるのです。
このような状態になると
動きがぎこちなくなる
無意識に体を守るような動きになる
必要以上に力が入りやすくなる
といった変化が起こることがあります。
そこで大切になるのが、体から脳への感覚入力を増やすことです。
例えば
ストレッチ
ゆっくりとした運動
正しい動作を意識するトレーニング
などは、筋肉や関節からの感覚情報を脳に伝える刺激になります。
こうした刺激を積み重ねることで、脳の中の身体地図が少しずつ整理され、体の動きや感覚が改善していく可能性があると考えられています。
慢性痛の改善には、単に筋肉をほぐすだけでなく、脳と身体のつながりを整えていくことも大切なポイントなのです。
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